債務整理の種類
個人消費者の場合、債務整理の種類には、一般的に「特定調停」「任意整理」「自己破産」「個人再生」の4つの方法があります。債務整理の種類それぞれにメリット、デメリットがあり、かかる費用も異なります。どの債務整理の種類を選択したほうが良いのかは、債務者の借金状況によります。
★債務整理の種類★
◆特定調停
特定債務者(借金返済が困難になった人)が、債権者を相手として、簡易裁判所に申し立てる再生手続きです。
条件としては、給料などの定期的な継続的な収入のあり、調停後に減額された借金が、3年以内に返済できる金額であること、借金額が3000万円以下などがあります。
特定調停を裁判所に申し立てると、一般市民から選ばれた調停委員(主に弁護士や有識者)が間に入り、債権者と和解に向けての話し合いをすすめます。
具体的には、申立人の借金の実情や返済能力を調べ、借金の減額、分割弁済といった、返済条件の緩和が中心になります。
特定調停は民事調停の一種ですが、倒産処理手続きの中の再建型手続きとしても利用されています
<メリット>
・債務整理の中では費用が一番安くて済みます。(各管轄裁判所によって、費用は異なります)
・財産を失うことなく、大幅な利息・損害金カットの交渉が可能になります。
・今まで支払った利息を利限法に基づき計算し直しますので、利息過払い(最低でも同金融で取引5年以上)が返ってくる事があります。
<デメリット>
・官報に名前が掲載されます。ブラックリストに載ります。
・和解金を主に3年で支払余力がないと判断されれば不成立になります。
・低金利の債務や契約期間が短い場合は効果が薄い。
・支払いが滞ると強制執行されます。
◆任意整理
裁判所などの公的機関を利用せず債権者と交渉をして、利息・損害金・毎月の支払額の減免をしてもらい、負債を圧縮する手続のことをいいます。
基本的に特定調停と同じで、債権者と直接交渉をして利息と元金を減らしてもらうなど返済条件の緩和・和解が中心になります。交渉は困難で専門的ですから、弁護士や司法書士に依頼することが通常です。
<メリット>
・債務者が裁判所へ出向く必要がありません。
・ほぼ特定調停と同様に、財産を失うことなく、大幅な利息・損害金カットの交渉が可能になります。
・今まで支払った利息を利限法に基づき計算し直しますので、利息過払い(最低でも同金融で取引5年以上)が返ってくる事があります。
・弁護士をたてて交渉すると、借金を圧縮出来る可能性が大きくなります。
・和解契約が債務名義化しません。
<デメリット>
・弁護士費用など特定調停と比べると費用がかかります。
・信用情報機関の個人情報(ブラックリスト)に登録されます。
・債権者によっては交渉が成立しない場合もあります。
◆自己破産
自己破産とは、経済的に破たんして借金の返済ができなくなった人に対して、裁判所が関与して強制的に精算をする手続きです。
自己破産以外の債務整理手続き(任意整理、民事再生、特定調停)では解決が見込めない債務者の財産(不動産、預貯金、有価証券、退職金、生命保険解約返戻金等)をお金に換えて債権者に公平に分配し、残った借金を消滅させる手続き(免責決定)のことです。
手続きにより、債務者のすべての借金帳消しになり、財産は失われます。
<メリット>
・法律上、借金の返済義務が0になるので、比較的早期に、生活再建・再出発が可能となります。
・債権者からの催促や取立てがなくなります。
<デメリット>
・要件が厳格で、多重債務に至った原因がギャンブルや浪費等の場合(免責不許可事由)、自己破産はできても借金がゼロにならない可能性があります。
・破産開始決定後免責決定までのあいだ(約2ヶ月間)は、資格制限が有ります。但し、免責確定後制限はなくなります。
・信用情報機関の個人情報に登録され、7年、もしくは10年間は新たなローンが組めません。
・所有する自宅や車は、没収されます(車は条件付き)
・官報に掲載されます。
・自己破産者の本籍地の自己破産者名簿や本籍地の市区町村が発行する身分証明書に自己破産をしたことが記載されます。(但し、非公開)
・連帯保証人がいる場合、保証人に全額の請求が行きます。
◆個人民事再生
無担保の借金が5,000万円以下で、将来に安定した収入が見込める個人および零細個人事業者の経済的再生をはかる裁判上の債務整理手続きです。
具体的には、将来得られる収入で借金の一部へ返済するかわりに、現在の財産を失わずに済むようにする手続きです。また、自己破産における一時的な資格制限を回避出来きます。
再生計画案と呼ばれるものを作成し、債権者への支払いは、36回で、原則として3年間に総額100万円以上300万円の範囲内で支払えば、それ以上支払う必要はありません。
すなわち、支払い額の最低額は負債の額に関わらず100万円で、負債の額が500万円以上の場合、その5分の1が支払額で、支払額の上限は300万円というものです。
多債務ほどかなりの元金の圧縮が見込めます。
<メリット>
・低利の借入が多く、利息制限法での圧縮が見込めない場合や、圧縮しても債務が多い場合、また個人事業主などに有利です。
・無担保債権の元本がカットされます。
・住宅などの財産を処分する必要がありません。
・差押えの中止・取消し、競売手続の中止などが行なわれます。
<デメリット>
・債務整理の中で一番費用と時間と手間がかかります。
再生計画案に債権者の同意が必要で、原則として3年間での支払らわなくてはいけません。
・手続き利用には制限がある(申立てには、3年間以上継続して収入を得る見込みがあり、住宅ローンや担保権回収見込み額を除いた債務総額が3000万円以下の人であることが必要です。(法改正により4000万円に引き上げられる予定)
・財産に関する管理処分権の制限が付きます。
・官報に掲載されます。
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